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夜食は太る(2015年3月掲載)

夜食は太るという話をご存知ですか?

どうやら、これは本当の話のようです。先日、食欲に関する専門家(研究者)が書いている本を読んでいたら、午後8時以降は食べるのを控えたほうがよいと書いてありました。どうやら、自律神経の関係のようです。

「自律神経」という神経系の一部があります。これは内臓機能を自動調整してくれるシステムです。自律神経系は、消化・吸収、呼吸・循環、分泌(ホルモン他)、生殖などの、人が普段意識しない体の基本的な働きを調節してくれるシステムです。この自律神経系は、大きく分けて二つに分かれます。人の体を「戦い」の状態にセットする交感神経系と、「休み」の状態にする副交感神経系です。午後8時以降に食事をとると、副交感神経が優勢になっているために、吸収がよくなり、体の活動性も落ちているためにより太りやすくなるようです。

また、夜食をとると眠れなくなる可能性があります。これはオヤッと思う人もいるでしょう。強調します。食事をとること自体は人の目をさます働きがあるというのです。これを満腹になると眠くなることと混同しないで下さい。空腹になれば眠れなくなり、満腹になれば眠くなります。当たり前のことで教えられなくても誰でも知っていることです。

これらの働きは人が小さな動物だったときに脳に組み込まれた仕組みだそうです。小さな野生動物だったときには、空腹なまま眠りこけたら餓死してしまいます。必死になって餌を確保する必要があります。一方、餌を十分に食べたら、余計なことはしないで省エネで眠っていた方が得策です。人もこのような仕組みとなっているのは合理的な話です。

しかし、小さな動物が餌を確保するのは大変な作業でもあるわけです。あちらこちらを走り回り、餌を捜さなければなりません。上空から鷹に襲われたり、草むらから蛇にとびかかられたりしないように警戒する必要もあります。餌をとる、すなわち食事をするということは危険に満ちているので寝ぼけまなこで出来る作業ではありません。このような訳で食事をするときには目が覚める仕組みとなっているようです。

まとめると、夜、遅く食事をすると太りやすくなる上に、不眠症の一因となるかもしれないことになります。結論は月並みになりますが、「夜遅い食事は控えましょう」ということになります。

なお、食べるときには「ながら食い」ではなく、それに集中する。よく噛んでゆっくり食べる。水分を十分にとる。なども、適切な食事をとるために大切なポイントだそうです。食事を楽しみながら、「かしこく」とる習慣を身につけたいものです。

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