センターについて


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リハセンだより第9号(2000年10月発行)

援護寮「サンフラワー」の紹介

秋田県障害者自立訓練センター所長:高橋 祐二

精神科の患者さんの場合には、病気が引き金になって日常生活や社会生活を送る上での問題が起こり、社会復帰が困難になることがあります。援護寮には、長期間の宿泊訓練を通して患者さんの自立を援助するという目的があります。当援護寮は、1997年6月に県立リハビリテーション・精神医療センター(リハセン)に隣接して開設されました。今年で丸3年のまだ新しい施設です。居室はほとんどが1人部屋となっています。体育館も併設されているほか、周囲はリハセンと地続きの広大な散歩コースがあります。

当援護寮での活動内容には次のようなものがあります。

  • 日中のプログラム:リハセンのデイケアに通所し、作業療法やレクリエーション療法などを行います。その他、寮では当番制でスタッフと一緒に食事の支度を行います。
  • 生活訓練:生活技術、対人関係の持ち方、通院の仕方、金銭管理などについて、スタッフの指導を受けて練習します。
  • 月間行事:月1回、様々な行事を行います。買い物やレクリエーションなどを通して、気分転換を図るとともに、集団での行動や公共施設の利用の仕方などを練習します。
  • 就労訓練:地域の事業所に協力していただいて、就労の訓練をします。その方の状況に応じて、仕事の内容や就労時間などを検討します。
  • 調理実習:1人暮らしを想定して、メニューの決定から始めて、材料の決定、買い物、調理までを(もちろん試食も)練習します。
  • 学習会「たんぽぽの会」:患者さんとその家族を対象として学習会を開催し、病気の知識、病気との付き合い方、福祉サービスなどについてわかりやすく説明します。
  • 喫茶「カモミール」:リハセン内の喫茶コーナーを利用して、喫茶店を営業しています。従業員として開店の準備から後片付けまで行い、就労の模擬体験をします。

当援護寮には、リハセンからだけでなく他の医療機関からの紹介でも入寮できますので、利用を希望される方は、主治医やケースワーカーに相談してみて下さい。直接当方にお問い合わせいただいてもけっこうです。また、事前に見学もできますのでお気軽にご相談下さい。

電話:018-892-3770

リハセン企画ケア・シリーズ第2回「脳卒中の後遺症の診かたとケアー(運動障害)」を終えて

医療・福祉・リハビリテーション関連職種を対象とした、当センター恒例の企画であるケア・シリーズ第2回は去る7月7日に当センター講堂で開催され、県内の各関連施設・病院から164名の参加で、成功の裡に終えることができました。御協力いただいた職員の方々、また御参加を頂いた諸施設の職員・個人の方々にはあらためて御礼を申し上げます。

さて、企画については今回から「脳卒中後遺症の診かたとケア」のシリーズを何回か行う予定で、そのトップに運動障害をテーマに取り上げました。千田所長のビデオも使用した運動障害の基本的な診かた・考え方の解説、須藤理学療法士による運動障害慢性期の障害の特徴とその対処法、佐藤5病棟婦長の、経験事例をもとに運動障害のみならず高次脳機能障害や認知機能障害を伴う例にどう対処し、如何に危険を回避しながらADL(日常生活動作)を拡大していったらよいのか、また転倒事故はどのような状況で生じているかの分析など、日頃、運動障害患者を扱っている参加者に多くの示唆と共感を与えられたものと確信しています。

講習会当日、参加者にアンケートをお願い致しました。ここで、その結果について紹介致します。参加者の運動障害患者さんとの関わり状況ですが、実に参加者の4分の3が現在運動障害を持つ患者と接しているとの結果でした。それら患者さんの対応については、8割以上の方が指導・訓練への対処が所属する施設で対応可能とのことです。一方、1割弱の方が運動障害の診断・評価・指導・訓練などにリハセンの協力を得たいとの希望がみられ注目されました。

次に当日の講演についての結果をみます。その内容に関しては、「よくわかった」と答えた方が約6割を占めており、また講演時間についても8割以上の方が「ちょうど良い」としており、時間配分や内容は概ね好評だったようです。

当日の会場設営やセンターへの注文も頂きました。当日の会場設営については、「エアコンが効きすぎて寒かった。」「講習会参加者・職員の携帯電話スイッチを切るのを徹底して欲しい。」「レストランを禁煙にして欲しい。」「昼食の注文・弁当など用意できないか?」などの声がありました。また講習会については、「一般参加を原則許可してもらえないか?」との声もありました。

また今後の講習会の取り扱うテーマに関して、「高次脳機能障害や環境不適応患者の対応やリハについて」・「ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者のケアとリハビリ」・「老年期うつ病などの患者への接し方」・「痴呆患者への対応」など、幅広いテーマについて希望がありました。講習会以外に関しての当センターへの希望も書かれており、「特養の患者のリハビリ処方と指導を定期的にお願い致したい。」「講習内容やリハビリに関する質問・相談を日常的に受けてもらえる態勢を作って欲しい。」など、参加した方々の声からもリハセンへの期待の大きさが伺える結果でした。

次回は来る11月1日、金曜日にシリーズの第3回として、『脳卒中後遺症の診かたとケア(2)言語障害とその周辺』を予定しており、アンケートの結果(図4)でも、多くの方がこのテーマに関心を寄せられております。また今後に予定したいテーマについて伺ったところ、ランダムに挙げた3つのテーマ(「摂食・嚥下障害シリーズ」・「脳卒中後遺症シリーズ」・「変性疾患のリハビリテーション」)についても“参加したい”との期待を多くの方から頂きました。これらの声に今後も是非答えていきたいと考えておりますので、センタースタッフを含む皆様の御支援・御協力を重ねてお願いする次第です。

(医療部・リハビリテーション科:佐山 一郎)

ふれあい介護体験、「一日看護学生」が開催!

去る7月25日、協和町立協和中学校の生徒さん8名がリハセンにおいて「一日看護学生」を体験しました。

リハセンに勤務している看護婦から看護の体験談を聞いたり施設見学をした後、入院患者さんのお世話をしていただきました。皆さんとても一生懸命で、患者さんもとても喜んでいました。

一日看護学生を終えた学生の感想文を紹介します。

写真:協和町立協和中学校の生徒さん8名

『一日介護体験を終えて』今田 美幸

私は、看護婦さんの話を聞いて、大変なことはあってもみんな自分の仕事が大好きなんだなあと思いました。私は去年もこの体験をさせていただきましたが、おじいさんやおばあさんの「ありがとう」という一言はすごく嬉しいものでした。それに、入院されている方のお世話をする機会というのはあまりないので、とてもいい体験ができました。この体験をすることによって私の将来に向けての考え方や目標を見つけることができました。

いま、私は受験生です。高校は看護科へ入ろうと考えています。お世話になった看護婦の皆さん、とても貴重な話や体験をさせていただいてありがとうございました。お仕事がんばって下さい。

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