センターについて


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リハセンだより第38号(2008年1月発行)

病院機能充実を目指して

所長:千田 富義

新年明けましておめでとうございます。

昨年、当センターにおける情報伝達の中心的役割を担う医療情報システムの不具合について調査が行われ、全体像が明らかとなりました。もちろんシステム納入業者の責任は大きいと考えていますが、システム導入の過程で私たち職員の努力が十分でなかったことを深く反省しております。県民の皆様には多大のご迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げます。この問題の解決と信頼回復を目指すことが私たちの責務であることを十分自覚して、業務に取り組む決意であります。

常々、センターの医療の質を向上させることを心がけてきましたが、今年進めようとしている企画をご紹介いたします。

リハビリ医学の研究では、休日、祝祭日などに訓練を休むよりも毎日訓練を行った方が効果的であることが指摘されています。また、1日の訓練量が可能な限り多い方がより機能が改善するとされ、2006年診療報酬改訂で以前より長い時間の訓練が評価されています。

センターではこれらの考えを取り入れて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を増員して現在のリハビリ医療で最も効果的と言われる体制を今年の春から取り入れることに致しました。内容は1日の訓練時間を多くすること、休日、祝祭日も訓練を行うことであります。高密度毎日訓練と名づけております。県民の皆様のリハビリにお役に立てることを期待しております。

精神・神経科では精神科救急医療の充実を検討しております。これまでも秋田県救急医療全県拠点病院として24時間受け入れ体制をとってきましたが、昨年から精神科急性期治療病棟を整備いたしました。今年はこの精神科急性期治療病棟を一層充実させようと考えています。急性期の患者さんを短期集中的に治療し、早期に退院できるようにするつもりであります。このことにより患者さんの入院のご負担をできるだけ軽減するとともに、今まで以上に入院の必要な急性期の患者さんへの対応が可能となります。

認知症医療では、患者さんや家族の方を支援するために、認知症介護講座を開催してきましたが、今年はこの会の充実を図り、入院だけでなく外来通院中の患者さんにも声をかけようと考えています。家族の方々のご苦労を励まし、病気の特徴をお伝えするつもりです。

以上、今年新しく行おうとしているリハセン医療について触れさせて頂きました。少しでも患者さんにとってよいことをこれからも模索し続けるつもりであります。今年も1年よろしくお願い申し上げます。

心の健康コーナー

第2話『心の風邪:うつ病』

その2:病院へ行くべきか?

前回のお話でうつ病の症状を取り上げました。お読みになって自分と同じだと愕然とした方もいらっしゃると思います。それではすぐに病院へ行くべきなのでしょうか。今回はそれについてお話しします。

実は前回に紹介した症状の一部は健康な方でも体験しうるものなのです。ですから、いくつかに心当たりがあるからといって慌てる必要はありません。人間はゆううつになりやすく、愉快になりにくい存在ですから。それでは病院へ相談に行く目安はどのあたりでしょうか。

私の意見としては、症状の中のいくつかが数週間以上続く。実際の仕事に支障がでる。決断力がなくなってしまう。この世からいなくなってしまいたいと思う。自分でも驚くほど、弱気になってしまった。こんなに変わってしまったのが、我ながら不思議だ。このような症状を自覚した方は積極的に精神科で相談したほうがよいと思います。軽症うつ病は、たくさんの人がかかるが、よく治るので「心の風邪」だと言う医師もいる程です。こじらせる前に早めに治療を受けたほうがお得です。

ただし、明らかに落ちこむ原因があった。自分でもなぜ落ちこんでいるのかよくわかる。自分で克服する自信がある。休日にレクリエーションをしたり、直接に悩みとは無関係な友人達と話し合ったりすると気が晴れる。などの場合はあまり急いで病院へ行く必要は無いと思いますが。

それでは、どちらにしようか、迷ったときはどうでしょうか。少なくとも、やるべきでないのは、お酒で紛らすことです。お酒に頼ると、アルコール依存症を合併してしまったり、うつが治りにくくなったりします。お酒に頼らざるを得ないと思ったら受診するべきでしょう。迷ったままの状態が3週間以上続く場合も受診をお勧めします。今は、若者がガールフレンドを同伴して精神科を受診する時代です。恥ずかしいという感覚は時代遅れです。

なお、受診方法としては、3つあります。精神科クリニック、総合病院精神科、精神科専門病院のいずれかが普通です。心療内科で対応してくれるところもあります。それぞれ、気軽に相談できるが、混んでいるので予約が取りにくい。その日に診てくれるが、待ち時間が長く、診察が慌ただしい。ゆっくり、時間を取ってくれるが、人目が気になる。得意分野が先生によって異なる。と一長一短のようです。

(副所長:小畑 信彦)

《お知らせ》外来駐車場を増設しました!

写真:外来駐車場

これまで外来者用の駐車台数が少ないとの声がありましたが、正面玄関前に外来者駐車場を増設しました。ご来院の際にはご利用下さい。

車いすマーク付きの障害者用スペースに障害のない方の駐車はご遠慮下さるようお願いいたします。

秋の防災訓練が行われました

2007年11月8日(木曜日)、大曲消防署協和分署、大仙市消防団と合同で後期防災訓練が行われました。実際に消防車や救急車が出動し、発煙筒もたかれるなどリアルな雰囲気の中、初期消火、避難、救護訓練を行うことで防災意識を高めることにつながりました。

写真:秋の防災訓練1
煙体験ハウスを通って避難します
写真:秋の防災訓練2
消化器は初期消火の基本
写真:秋の防災訓練3
散水栓からの放水、水圧もかなり高いです
写真:秋の防災訓練4
消防車も出動し緊張感が高まります
写真:秋の防災訓練5
インパルス銃による消火デモ、強力で一瞬で火が消えました
写真:秋の防災訓練6
これから院内へ救助に向かいます
写真:秋の防災訓練7
心肺蘇生法のデモンストレーション

職場紹介:医事課

写真:医事課

医療相談室

医療相談室には6名のケースワーカーが配置されており、入院・外来患者様やご家族からの相談や要望に対して迅速かつ適切な対応を心がけております。

また、受診や入院の相談・予約も医療相談室で受け付けておりますので、お悩みになる前に、まず、お電話をください。

会計窓口ほか

会計や入院患者様の「お小遣い」管理、各種証明書等を担当、入院費のご心配などお気軽にご相談ください。

みなさんのご意見・ご要望などもお受けしております。

株式会社ニチイ学館

患者様はもちろん、来院された方々への明るい笑顔と優しい言葉の対応を心がけ、精度の高いレセプト作成を意識しながら日々頑張っています。

医事課は総勢24名、「明るく元気!」が取り得(?)のスタッフでいっぱいです。
一人一人ご紹介したいくらいですが、紙面の都合により割愛させていただきます。

シリーズ高次脳機能その4

失行症

失行とは、運動マヒや感覚障害がなくて、目的の行為が何か理解しているにもかかわらず、いつも行っていた動作ができない状態のことです。簡単にいえば、「自分が行おうとしている事と違う事をしてしまう状態」ともいえます。主な失行には、観念運動失行、観念失行、着衣失行、構成失行などがあります。

観念運動失行は、「さようならのときのバイバイ」や「じゃんけんのチョキ」などの習慣的な動作や、「歯磨き」などの日常生活の動作を、自発的にはできるのですが、言葉で指示されるとできず、またマネることもできない状態のことです。

観念失行は、「歯ブラシ」など日常的に使う物が何かは理解できますが、「歯ブラシ」を渡しても正しく使えない状態のことです。また、ライターとタバコの使い方はそれぞれ理解しても、いっしょに渡されて「タバコに火をつけて、吸ってください」といわれても、2つの物を正しい順序で使うことができない状態も含まれています。

今回のおすすめの一冊

「Q&A 脳外傷 高次脳機能障害を生きる人と家族のために」

NPO法人日本脳外傷友の会編:明石書店(1,400円:税別)

高次脳機能障害の手帳申請や年金申請など、社会保障制度の活用について詳しく解説しています。

編集後記

明けましておめでとうございます。
今年もリハセンだよりをよろしくお願いいたします。

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