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気分のよくなる病気について

精神科診療内容紹介の一部として、当センターの一部の精神科医師が使用している診療上の説明の補助資料を紹介します。わかりやすさを重視し、たとえ話を用いて説明していますので、学術的な正確さは保証されません。
とりあえず、漠然としたことでもよいから知りたい時に、直感的にイメージをとらえていただくためのものとして、時に使用されています。
なお現在のところ、これらの内容に関するお問い合わせには対応しかねますので、ご了承下さい。

躁(そう)状態の説明

精神科のお医者さんから「あなたは躁状態という病状にあるのですよ」とか、「軽躁状態(軽い躁状態のこと)ですね」と言われたことはありますか?「そんな、馬鹿な。こんなに気分がいいのに」と初めての人はほとんどそう思うようです。それはそうです。病気になれば苦しくなり、気分は悪くなるのが普通であり、病気で気分がよくなる話など聞いたことが無いのが普通です。

しかし、気分がよくなる病気があるのです。最近、うつ病という元気が出なくなる病気が流行っているのはご存じですか?この病気は脳の中にある心身活動エネルギーの出力センターで、脳内物質のバランスのくずれにより、出力が低下してしまうような病気です。ところが、これと反対の症状の病気もあるのです。出力が上がりすぎて元気が出すぎる病気です。これは躁病と呼ばれたりします。そして、この時の出力が高まり過ぎた病状を躁状態と呼びます。これは、丁度、100馬力エンジンの自動車のエンジン出力だけが150馬力に上昇してしまったような病状です。出力が上がっているので病気のご本人は気分がよいのですが、ブレーキやタイヤは100馬力用のままです。100馬力の時と同じつもりで運転すると、止まると思った所で止まれなかったり、カーブで脱線したりします。結局、自分の周りの人々からの信用を失ったり、必要のない喧嘩になったりして損をしてしまいます。

そこで、自分でも気をつけて、気分がよくても気分任せに行動しないで隠忍自重する必要が起きてきます。それでは、どんなことに気をつけたらよいでしょう。

  1. 自分の家族や親友のアドバイスはよく聞きましょう。一見、不愉快なことを言っているようでも最終的にはあなたの利益になる話をしているはずです。気が大きくなりすぎて失敗に気づかないと、今まで一生懸命築いてきた社会的信用を失います。社会人にとって信用はとても大きな財産です。
イラスト:家族
  1. お医者さんの薬はキチンとのみましょう。もし、副作用があるようなら、軽くなるように調整してもらってください。
イラスト:医師

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