センターについて
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リハセンだより第37号(2007年10月発行)
ご挨拶
副所長:小畑 信彦
今春から副所長と医療部長を兼務することになった小畑 信彦です。
専門は精神科です。どうかよろしくお願いします。
日本全体が揺れている状況が続きます。その中で、高い緊張を保って、ゆとりのない生活をしていかなければならない人々もどんどん増えているようです。そのためか、私の専門とする精神科領域でも、今まで、職場や、家庭、地域の中心となって頑張っていた人たちがうつ病になり、ご相談にいらっしゃることが急増しているように感じます。
また、少子高齢化社会を迎えたための問題も色々と生じています。認知症のために、ご本人もご家族もともに苦労しているご家庭の相談を受けることが日常的になりました。毎日のテレビなどでは、日本の未来を背負う大事な青少年の心が不安定になりがちなことが時々話題になります。
このような時期に当センターの精神科が県民皆様の心の健康増進にどのような形でお役に立てるのか、1つずつ確かめながら、毎日の診療を行っていきたいと考えております。
ここで、実際に行っている診療の内容を少しだけご紹介します。
現在は、当センター精神科は、幅広く県民の皆様にご利用いただけるように、短期の入院でよりよい治療効果を上げるための、短期集中治療を基本とする入院治療を行っております。また、秋田県における精神科救急システムに参加し、精神科的に重症の患者さんを受け入れる第3次病院としての役割を果たすなど、県内における特殊な機能を持った病院としての活動も行っております。
当センターが誇るべき点として、リハビリテーション科との協力体制を敷き、それにより、精神障害とリハビリテーションの診療技術両方が必要な患者さんへも対応していることが挙げられるかもしれません。特に、認知症については、リハビリテーション科と協力した特殊な形の診療体制を敷き、興奮や不穏の強い患者さんへの集中的な治療をする病棟とリハビリテーションに重点を置いた治療をする病棟の2つの病棟を稼働させています。このことは、高齢化率の高い我が県として県民の皆様の健康をよりよいものにするために、少しお役に立てることではないかと自負しております。
今後、精神医療は、ここ10年間で全国30数万床のうち7万床を減らす国の計画を中心に、大きくその形を変えようとしています。長期の治療が必要な精神障害者に対しても、今までの入院治療中心から、地域における治療中心へと大きく姿を変えることになるようです。その中で、当センター精神科がどのような役割を果たし続けるべきか、どのような新しい役割を担っていくべきか、県民皆様のご意見を伺いながら、一歩、一歩、前へ進んで行きたいと思います。ご指導、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
心の健康コーナー
ご挨拶:複雑な現代社会、心が疲れ果てて不健康になる人が増え続けているようです。今回から、しばらく、紙面を借りて心の健康の問題を少しご紹介して行きたいと思います。
第1話『心の風邪:うつ病』
その1「症状の特徴」
毎日の暮らしの中で出会いやすい病気についてお話しします。今回はうつ病のお話をします。
この病気は最近、意外に多いということがわかってきました。しかも軽症例が多いようで、他人からみても病気ということがわかりにくい形をとることもあります。最近の米国の統計では女性人口の5パーセントから9パーセントが、現在、うつ病であり(男性では2パーセントから3パーセント)、一生に1回以上うつ病になった人の比率は10パーセントから25パーセントにのぼる(男性5パーセントから12パーセント)とされています。ざらにある病気と言えましょう。
それでは、具体的にはどんな症状がでるのでしょう。主だったものを思いつくまま挙げてみましょう。
基本的には元気が出なくなります。そして、朝早くに目覚め熟睡感がなく、疲れがとれない。仕事に行くのがつくづく、つらい。朝に新聞やテレビを見る気がしない。仕事をしても根気が続かない。決断力が無くなってしまった。人に会うだけで疲れ果ててしまう、一人になりたい。些細なことで不安になる。つまらないことでカッとなる。これから先、上手くやっていく自信がなくなってしまった、いっそのこと、この世からいなくなってしまいたいと考えたりする。妙に寂しい、涙もろくなった。自分でも驚くほど弱気になった。食欲が出ず何キロもやせた。素敵な女性(男性)を見ても心がときめかない、など。
皆様、いかがだったでしょうか。「これは自分と同じだ!うつ病になっていたのか!」と驚かれた方もいらっしゃると思います。しかし、早合点は禁物です。健康な方でも過労などのために元気がなくなると、これと同じ体験をすることがあります。
それでは、病気とどうやって区別するのか?次回、お話ししたいと思います。
リハセン祭の御案内
健康は未来への架け橋:心も体も元気花まるっ!地域とともに歩みます
今年のリハセン祭は10月20日(土曜日)午前10時より開催します。
今年は南外民謡保存会の民謡や踊り、大曲民話の会の「かたりべ」などが行われます。
好評の健康チェック、各種相談コーナー、喫茶や即売コーナーなども内容充実!
是非、この機会にご来院下さい。
リハセン納涼祭
8月30日(木曜日)の午後から毎年恒例の「リハセン納涼祭」が行われました。
当日は残暑が厳しく暑い日でしたが、楽しいゲームやカラオケ大会、出店など、いつもとは違うリハセンの一時を患者様、職員が一緒になって楽しみました。
業務紹介:総務管理課
総務管理課は、センターの職員がそれぞれの分野で業務に専念できるよう、センター内外の環境整備や医療機器整備、センター内の連絡調整などを行っています。
具体的には、予算・決算・給与・福利厚生などの一般的な総務事務の外、環境整備(除草・除雪等)、医療機器や建物等の修理・保全、物品・医薬品等の診療材料の調達などの業務を行っております。
また、施設見学の対応もしておりますので、見学を希望される方は事前にご連絡をいただければと思います。
より一層患者さんや家族の方々に信頼され・県民医療の一助を担えるリハセンとなるよう、日々努力していきたいと考えております。
シリーズ高次脳機能その2
記憶には言葉で説明できるもの、例えば「リハセンの所長は千田先生です」とか「昨日だれと会った」というようなものと、言葉で説明できないが体が覚えている動作(自転車に乗る、歯を磨くなど)の2種類あります。また、覚えることと、覚えたことを思い出すことにも分けられます。
よく年を取って物覚えが悪くなるとボケたといいますが、物忘れは誰にも起こることです。今日の朝「何を食べた」か思い出せないことがありませんか?。しかし、これはあまり気にする必要はありません。
認知症の記憶障害は「ご飯を食べたこと自体」を忘れるため、何度も食事を要求したり、食べさせてもらっていないと訴えるようになります。また、自分で隠した財布をどこに隠したか忘れてしまい、「人に盗られた」という妄想になることもあり、こうなると危険です。
自分で物忘れの自覚がある人は大丈夫ですよ。
今回のおすすめの一冊
「神様、僕をもとの世界にもどしてください」
鈴木真由美著・河出書房新社(1,500円)
20歳の時、スキー事故で、脳に損傷を負い高次脳機能障害になった息子・郷。「後遺症なし」と診断され、病院のたらいまわし、家庭不和、など困難を乗り越え、社会復帰を果たすまで支え続けた8年間を母の手で綴った、奮闘記です。
編集後記
今年は久しぶりに大曲の花火を会場で見ました。天気もよくて最高でした。
しかし、すごい人ですね。来年はついに80万人超えでしょうか?