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リハセンだより第43号(2009年4月発行)

「2009年度からの新体制」について

病院長:小畑 信彦

皆様、お元気でしょうか。今年の1月にお知らせした通り、当センターは4月から独立行政法人としての新しいスタートを切りました。新病院の名称は「地方独立行政法人秋田県立病院機構秋田県立リハビリテーション・精神医療センター」となり、数えてみたら38文字となります。覚えきれないので略称の「リハセン」と呼んでいただいた方がよさそうです。

余談はともかく、独立行政法人化に伴い、当センターも若干、組織替えをしましたので、ご紹介します。

まず、部が今までの「医療部」と「事務部」の2部体制から「診療部」(従来の医療部とほぼ同様)、「リハビリテーション部」(従来の機能訓練科とほぼ同様)、「看護部」(従来の看護科と同様)、「事務部」の4部体制となります。急激に変化する医療状況に即応してより素早く柔軟な対応を取れるようにするための体制変更です。

また、科も少し変更になります。「給食科」を「栄養科」としましたが、これは単なる名称変更です。診療体制の変更としては、「社会復帰科」が廃止になりました。そして、新たに「地域医療連携科」が誕生しました。この新設の科は、当センターと診療上関連する諸機関との連絡の窓口となり、また、それと関連して必要なセンター内の業務連絡・調整を行うものです。これからの医療体制として、機能分化を徹底し地域の医療機関間の連携を密にする必要が強調されています。つまり、1つの医療機関で診療の全てを行うのではなく、患者さんの病状により、最も適した医療機関が必要な時期に必要な医療を提供し、地域にある各医療機関が互いに連携し、全体として患者さんの病状に最も適した医療を提供していくという考え方です。そうなると、各医療機関その他の関連機関同士の連絡を密にすることが大切となります。今までは医師を含む各担当者が個々に連絡を取り合っていましたが、これからは病院として統一された形でより迅速、正確な連絡を取り合えるだろうと期待しております。

なにやら、硬いお話となってしまいましたが、受診していただく皆様の受診方法、診療内容などは従来と全く変わっておりません。職員も定期異動を除けば従来通りの職員で業務を行っておりますので、必要な際はお気軽に声をかけていただきたいと願っております。よろしくお願い申し上げます。

図:組織図

2008年度医療サービス向上部会報告会を終えて

部会長(副病院長):佐山 一郎

去る2月19日夕方、多数職員の参加を得て、2008年度医療サービス向上部会報告会を無事終えることが出来ました。本部会はセンター経営改善委員会の部会として、2005年に病院機能評価機構の勧告により設置され、本年で5年目を迎えます。当センターはその設営時より、利用する患者さんのアメニティーを重視したモダンな設計で定評があり、病院らしからぬ広々とした内外の空間を贅沢に利用しています。センター玄関先から広い中央通路が続き、センター機能を象徴する植栽豊かなアトリウムに通じます。そこから放射状に各病棟、訓練室、デイケアが広がります。各病棟構造も入院する患者さんのプライバシーを大切にし、採光を十分考慮した構造となっており、また障害のある車椅子利用の患者さんなどが余裕を持って利用出来るトイレ、洗面所も用意されています。このため、治療・療養環境については、患者さんからの評判も良く、我々職員の誇りでもあります。他方、優れた医療・療養環境という場合に、その医療レベルと設備、その安全性は勿論、患者さんに対する職員の接遇態度、あるいは長期療養を想定して、実生活に近い利便性や快適さが提供される必要があります。すなわち今や、「医療は施されるものではなく、サービス業である」、という意識改革が必要です。

2008年度は、退院時の患者・ご家族アンケートご意見などを参考としながら、委員がリーダーシップをとりつつ、「医療サービス」スピリットのもとに、以下のような院内外の整備・施設拡充が取り組まれました。本年特筆する第一点としては、入院患者さんを対象とした自由閲覧可能なライブラリーの設置が出来たことが挙げられます。センター職員の寄贈図書約1,200冊を備えて、旧精神保健センターに開設し、患者さんから大いに好評を博しています。そのほか、外来・玄関脇の自動販売機やティーサーバーの新設と更新、緊急対応に備えた除細動器の設置、屋外環境整備として、ベンチやプランターの設置、車椅子駐車場とその掲示板を整備したこと、幌付き除雪車を購入して除雪対策が強化されたこと、なども整備点として挙げられます。また給食科のスチームコンベクションや温冷配膳車の購入は、提供される食事の質向上に何より役立っております。病棟の介助入浴装置(ラダリーバス)もセンター開業以来の装置が年次計画で更新され、今年は6病棟に入りました。これら予算措置を伴うハード面での改良に加え、本年特筆する第二点として、センターに入院された方を含む写真家・画家の方々から中央通路を飾る芸術作品の大作を寄贈をいただいたことです。写真家の千葉克介氏から「水田」、画家の渡部洋子氏から「風懐」・「北風どっち」の2作品の寄贈を受けました。合わせて御礼と御報告を申し上げます。センターの治療・療養環境を整備向上させ、当センターを利用される県民の方々がますます増加することを願って報告を終えます。

写真:渡部 洋子作:北風どっち
渡部 洋子作:北風どっち
写真:千葉克介撮影:水田
千葉克介撮影:水田

看護研究発表会の紹介

看護研究委員会:平澤 昭子

看護科では毎年2月に2日間かけて、看護研究発表会が開催されます。

リハセン開院以来、看護の質を高めるために研究委員会が中心となって査読・助言・発表企画をしています。各病棟・外来のスタッフが業務の中でテーマを探し、今後に活かしていける研究を学んでいるのです。今年度の発表を紹介します。

  • 第1回:2009年2月16日(月曜日)
    1.入院時から始めた退院指導
    「重度の麻痺患者が自宅退院した症例から学ぶもの」
    2.母親と看護者の関係性構築のための看護介入
    「渡辺式家族アセスメントモデルを活用して」
    3.認知症病棟における看護師の対応についての家族の評価
    4. 認知症の行動・心理症状 ( BPSD )の頻度が高い入院患者へのセンター方式活用の効果
  • 第2回:2009年2月20日(金曜日)
    1.うつ病患者の家族に対する個別心理教育的アプローチの効果
    2.境界性人格障害患者を支持、信頼し受容し続ける看護
    3.患者の暴力に対するスタッフの意識の変化
    「包括的暴力防止プログラムを体験してみて」

発表当日は、パワーポイントを駆使して、すばらしい発表会となりました。リハセンゆかりの斎藤京子先生、佐藤ヨシ先生に講評していただき無事終了しました。

今年度もよりよい研究ができるように努力を重ねていきたいと思います。

統合失調症の家族教室・家族会の紹介

当センターでは統合失調症のご家族を対象に、病気や障害について知識、情報を提供し、ご家族が直面する様々な困難に適切な対処の一助とすることを目的とした家族教室を開催しています。また、昨年度家族教室を終了したご家族が集まり家族会「あすなろ」を立ち上げ、同じ病気に悩む家族同士の交流や相談活動を開始しました。今年度の家族教室は6月から始まる計画となっています。

家族教室の内容

  • 統合失調症を知りましょう
  • 急性期をどのように乗り越えるか
  • 病気のプロセスについて知りましょう
  • 病気と折り合いをつけながらその人らしい生活を実現する
  • ご家族自身が元気を保つために
  • 精神科で使う薬について
  • 社会資源の説明

注:これらの内容を4回に分けて行います。家族教室は4回参加することで全ての内容が終わり、終了後希望するご家族は家族会「あすなろ」へ入会できます。

家族教室への参加を希望されるご家族は随時受け付けいたしますので、当センター外来の看護師へお申し出ください。

新任医師の紹介

2月から神経・精神科に赴任した蓬田先生を紹介します。

自己紹介

公務員、営業職、製造業などを経験してから医師になりました。気軽に声をかけてくれるとうれしいです。栃木県出身ですので言葉のイントネーションが皆様とは違い、独特だと思います。よろしくお願いします。

蓬田 博先生

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