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がんばるのは誰だ?(2011年5月掲載)

2011年5月

今日は東日本大震災の復興に関して書きます。

大震災以来、「がんばろう日本」、あるいは「がんばろう東北」というメッセージが頻繁にテレビに流れます。一方、被災者からの生の声として「がんばろうと思っても何をしたらよいか、わからない」という戸惑いの声も紹介されます。どう考えればよいのでしょう。

私は次のように理解しています。「がんばらなくてはいけないのは我々日本人全体なのだ。特に被災していない、直接の被害を受けていない人達こそがんばらなくてはいけないのだ」と。

これからの復興に向けて最大の問題はやはり経済問題です。災害にあう事は多くのものを失うことですが、最後まで残るのは経済的損失です。特にこのような未曾有(みぞう)の大災害では日本全体の経済を中心とする国力の低下が懸念されます。このような時には日本国民全体が、今までよりも、もう少しだけ積極的に、少しだけより多くの生産的活動を行うことが必要です。それにより、少しでも日本経済の活力を増し、得た利益を被災者の皆さんの復興を援助する資金として回さなければなりません。

言い方を変えると、これからの日本国民にとり、必要なことは「抑えること」ではなく「積極的に動くこと」だと思います。死者を悼む(いたむ)気持ちは大切です。しかし、仕事以外のレクリエーションなどを「自粛」してしまっては日本全体が沈滞してしまいます。被災していない我々はより多く仕事をして、より多く楽しみ、そしてより多くを援助するべきです。

くり返しますが、じっとしていてはいけないと思います。我々全体が復興を(できればよりよい繁栄をも)願って、より活発に活動する必要があります。直接の支援活動をすることもよいでしょう。あるいは、自らの毎日の仕事を充実させることにより、日本全体の経済活動を活発にすることに小さな貢献をすることもよいでしょう。とにかく動くことが必要です。

これからの復興がどうなるのか、まだわかりません。ただ、何となくですが、これからの日本は「結構やる」ような気がします。明日からは「自粛」ではなく、「貢献」を考えて色々な行動プランを立ててはいかがでしょうか。被災者の気持ちをくみ、ともに苦悩を分かち合うのも大切ですが、被災者の生活が回復することを手伝い、ともに楽しく語り合えるようになることはもっと大切です。もう一度、くり返します。「自粛」ではなく、「貢献」をキーワードとして活動を開始するようお願いします。

図:がんばるのは誰だ?

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