患者の皆様へ
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リハセン『こころのケアチーム』第6班報告 (神経精神科 石川 博康)
第6班は、第5班を引き継ぎ、12月19日より川口町の保健師さん達と情報交換をしながら活動を始めました。震災から2カ月の節目の時期で、ニュース番組では震災の特集などが組まれていました。また、全ての避難所が閉鎖され、仮設住宅などへの移転が完了した時期にもあたります。町の至るところで家屋の解体作業が行われ、日ごとに町並みが少しずつ変化していました。
12月21日からは町に雪が積もり、川口町はすっかり雪景色となりました。震災直後には一日の取り扱い件数が100件を越えることがあったとのことですが、私達の時期には2から3件程度にまで減少していました。それも前の班から引き継いだケースが大半でしたが、保健師さんから新規の訪問を依頼されるケースもありました。第3班などが作成したバンフレットを用いての精神保健一広報活動も継続しておりましたが、直接の来所による相談はありませんでした。
活動の一部を紹介させていただきます。フォローアップが必要とされるケースについて、訪問活動を中心に行いました。震災後に出現した身体不調についてフォローされているケースが数件ありましたが、いずれの方も実際に訪問してみると話題は孤独感や喪失態ばかりであったことが印象的でした。直接の訪問に難色を示すケースでは、電話で状態確認するといった対応も行いました。
また、町の健診に際して相談の窓口を設け、バンフレットの配布や相談の受け付けなども行いました。我々が活動した時期には、顕著な精神症状の為に緊急の介入を要したケースは全くありませんでした。
その要因として、2カ月の期間の内に、衣食住が表面的には満たされる生活を取り戻したことや、これまでのチームによって適切な介入が施され、既に、地元の医療機関での治療に繋げられていたことなどが挙げられると思います。
もう1つ、断薬による再発・再燃の症例を最小限に抑える努力がなされていた点を強調すべきかと思います。
地元の保健師さんを中心に、継続的な医療が必要な方のリストアップが震災の翌日には開始されたと伺いました。一件ごとに薬はいつ無くなるのかをチェックし、必要があれば受診している医療機関への電話連絡から、医薬品の受け渡しまでを請け負っておられました。
こういった活動が無かったならば、震災の影響はより深刻であったのではないかと思いました。